温泉旅で、観光をやめた理由|一人宿で過ごす時間がいちばん満ちるから

温泉一人旅コラム

※本記事にはプロモーションが含まれています。

気づけば、旅先で「どこへ行くか」より、
「どんな時間を過ごしたいか」を大切にするようになっていました。

観光をしない旅は、外へ向かうというより、
自分の感覚を静かに取り戻していく時間なのかもしれません。

気づけば、宿にいる時間が旅になっていた

以前の温泉旅行は、観光も食事処も予定をたくさん入れていました。
せっかく遠くまで来たのだから、できるだけ色々見て帰りたいと思っていたのです。

けれど、いつ頃からか、旅先で急いで動くことに少し疲れてしまいました。

予定を詰め込む旅の名残り

昔の私は、旅のたびに「せっかく来たのだから」と自分を急かしていました。
観光地を巡り、人気の食事処を予約し、時間通りに動くことが“旅を楽しむこと”だと思っていたのです。

けれど、気づけばいつも時間に追われていて、
帰り道には「疲れた」という感情が先に立っていました。

旅先でまで急いでいることに、ふと疲れてしまったのです。

宿に15分前に着くという、小さな習慣

観光をやめた理由のひとつは、
「宿に着く前から、旅は始まっている」と感じるようになったからかもしれません。

私はいつも、チェックインの15分ほど前に宿へ到着します。
玄関先の空気、庭の匂い、風の流れ。
車を降りた瞬間に感じる空気は、宿ごとに少しずつ違います。
その違いを感じながら、ゆっくり玄関へ向かう時間が好きなのです。

ロビーへ入ると、女将さんやスタッフの方が迎えてくださり、
ほんの短い会話を交わします。

そのやり取りの中に、宿の温度や人柄が自然と滲む瞬間が好きなのです。

食事の希望をお伝えしたり、
「滞在中は Do Not Disturb でお願いします」と静かにお願いしたり。
そんな時間を過ごしているうちに、ようやく宿へ来た実感が湧いてきます。

観光好きの友人と行く温泉旅

昔は私も観光が好きで、旅先ではできるだけ多くの場所を巡っていました。
でも今は、宿にいる時間の方がずっと好きになっています。

観光が好きな友人と行くときは、私は宿に残り、友人たちは有名所へ出かけます。

観光地は何度か訪れている場所も多くなりました。
前ほど「全部見て帰らなければ」という気持ちはありません。
むしろ、宿の部屋で過ごす時間の方が気になるようになったのです。

静かな部屋でひとり過ごす時間の方が、
今では旅の中でいちばん贅沢に感じられます。

友人たちは観光を楽しみ、私は宿で静かな時間を過ごす。
それぞれが自分の好きな旅をして、夕食の時間にまた合流する。
そんな距離感が、とても心地よいのです。

ゆっくり過ごす旅の心地よさ

あるとき、思い切って観光の予定をすべてやめて、
宿で過ごす時間だけを大切にする旅をしてみました。

すると、それが驚くほど心にしっくりきたのです。

チェックインして部屋へ入った瞬間の静けさ。
窓から差し込む光の柔らかさ。
湯気の向こうで揺れる景色。

ただそれだけで、旅の時間が静かに満ちていくのを感じました。

「何もしない」ことが贅沢になる

観光をしない旅は、最初は少し勇気がいりました。
でも、何もしない時間に身を委ねてみると、
そこには思っていた以上の心地よさがありました。

本を読んだり、湯に浸かったり、ただ窓の外を眺めたり。
そのどれもが、静かに心へ染み込んでいくようでした。

旅の目的が少し変わった

観光地を巡らなくなった今も、旅がつまらなくなったわけではありません。

むしろ宿へ向かう時間や、部屋で過ごす静かなひとときの方が、以前より心に残るようになりました。

窓の外を眺めたり、本を読んだり、湯に浸かったり。

そんな何気ない時間のために、私は温泉へ出かけているのかもしれません。

気づけば、観光地の名前よりも、宿で過ごした時間の方をよく覚えているようになりました。観光をやめたことで失ったものより、得たものの方がずっと大きかった気がします。

次の旅でもきっと、私は少し早めに宿へ向かうのでしょう。

それではまた、「一湯一会」でお会いしましょう。

23時|温泉旅館の予約画面を閉じた夜

熱海で“どこにも行かない旅”をした二泊三日|御宿の中で満ちていく静かな時間

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