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熱海へ着いても、急いで観光へ向かうことはありません。
二泊三日をほとんど宿の中だけで過ごす。
そんな温泉旅が、いつしか私にとって一番心地よい時間になっていました。

宿の中だけで過ごす二泊三日
熱海に着いて部屋へ入ると、まず客室ドアに「Do Not Disturb」の札を下げます。
二泊三日のあいだ、予定はほとんど入れません。
大浴場へ向かい、部屋へ戻り、本を読む。
海を眺めながら湯に浸かる。
観光はしない。
けれど、不思議と時間は満ちていきます。
いつしか私にとって温泉旅は、
どこかへ行くためではなく、
静かに過ごすための時間になっていました。

静かな時間が始まるチェックイン
宿に着くと、空気の流れがゆっくり変わっていくのを感じます。
フロントの落ち着いた声や、静かな廊下の空気に触れているうちに、少しずつ旅の時間へ気持ちが切り替わっていきます。
部屋へ案内されたら、まずは 窓の外を眺めながら深呼吸。
荷物を置いて 「Do Not Disturb」 を下げると、ようやく旅が始まった気がします。
大浴場へ向かう時間も旅の一部
少しだけお酒を飲んで、身体がゆるんだ頃に大浴場へ向かいます。
湯気の向こうで揺れる景色を眺めながら、静かに湯へ身を沈める時間が好きです。
湯の音を聞きながらぼんやりしていると、考え事も少しずつ遠ざかっていきます。
観光をしなくても、もう十分満たされていると思える瞬間です。

部屋で過ごす、何もしない時間
部屋へ戻ったら、ライブラリーで借りた本を開いたり、窓辺の景色を眺めたり。
部屋露天に入ったり。時計を気にせず過ごしていると、時間の流れまでゆっくりになる気がします。
こんこんと流れる湯の音を聞いていると、それだけで心が落ち着いていきます。
何か特別なことをするわけではありません。
けれど、そんな時間ほど記憶に残っているものです。
ラウンジで少しだけ過ごす夜
ラウンジがあれば、白ワインと軽いアペリティフを少しだけいただきます。
長居はせず、落ち着いた空気だけを持ち帰るように部屋へ戻ります。
夜の廊下を歩く時間も、私にとっては旅の一部です。
窓の外の夜景を眺めながら過ごしていると、不思議と時間の流れがゆっくりになる気がします。

二日目の朝は、ゆっくりと
二日目は目覚ましをかけません。
熱海の海がゆっくり明るくなっていく頃、自然に目が覚めます。
部屋風呂か大浴場で、ゆっくり湯あみをしてから朝食へ向かいます。
少し遅めの朝食をいただいて、部屋へ戻ってからまた本を読む。
部屋露天に浸かる。そんなふうに過ごしているだけで、一日が静かに満ちていきます。

帰る頃には、また来たくなる
二泊三日は長そうに見えて、過ぎるとあっという間です。
荷物をまとめ始める頃になると、部屋の空気まで名残惜しく感じます。
次は何を観ようかではなく、
またこの部屋で本を読もう。
またあの湯に浸かろう。
気づけば、熱海で思い出すのは観光地ではなく、宿で過ごした静かな時間ばかりです。
だから私は、また二泊三日を過ごしに熱海へ向かうのだと思います。
それではまた、「一湯一会」でお会いしましょう。
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