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有馬温泉を歩いていると、
「今日は観光よりも宿でゆっくり過ごしたい」
と思う瞬間があります。
そんな気分のときに訪れたいのが、有馬温泉の老舗旅館「中の坊 瑞苑」です。
館内に流れる穏やかな空気。
やわらかな灯り。
窓の向こうに広がる有馬の山並み。
チェックインは14時。
チェックアウトは翌12時。
この22時間という長い滞在時間が、この宿の魅力をより深く感じさせてくれました。
ここには、人を楽しませるための派手な演出はありません。
その代わり、日常の緊張を少しずつゆるめ、自分のペースを取り戻せる静かな時間があります。
スマートフォンを見ることも忘れ、湯けむりを眺めながらお茶を飲む。
そんな何気ないひとときが、思いのほか心を満たしてくれるのです。
今回の滞在では、有馬名物の金泉を堪能しながら、中の坊 瑞苑ならではの落ち着いた時間を味わってきました。
「何も要らないと思える贅沢」。
その心地よさを、宿泊記としてお届けします。

何も要らないと思える時間

中の坊 瑞苑。品格が漂う美しい外観です。画像はイメージです。
観光地を巡る旅も楽しいけれど、
ときには何もしないために宿へ行きたくなることがあります。
温泉に浸かる。
景色を眺める。
お茶を飲む。
それだけなのに、
気づけば心も身体もゆるんでいる。
中の坊 瑞苑には、
そんな時間が静かに流れていました。
御宿の全体像|静けさが心地よい大人の湯宿

中の坊 瑞苑。心がすっと整うお庭です。画像はイメージです。
有馬温泉の高台に佇む「中の坊 瑞苑」は、
落ち着いた和の趣と、現代的な快適さが調和した大人の湯宿。
館内は落ち着いた和の趣を基調とし、
柔らかな照明と木の温もりが心地よく迎えてくれます。

特に高層階から眺める有馬の景色は格別。
夕暮れから夜へ移り変わる温泉街の灯り、
朝靄に包まれる山並み──
そのどれもが旅情を深め、思わず見入ってしまいます。
また、中の坊 瑞苑は“湯を静かに味わう宿”。
館内の導線も落ち着いていて、慌ただしさを感じにくいのも魅力です。
館内は比較的落ち着いた年齢層の宿泊者が多く、
お一人さまでも気後れしにくい穏やかな空気感。
静かに温泉を楽しみたい方にも心地よく過ごせる御宿です。
有馬名物の金泉を楽しめる大浴場では、
濃厚な赤褐色の湯と立ちのぼる湯けむりが心をしずめ、
時間を忘れるような贅沢なひとときを過ごせます。
14時にチェックインしてから、
翌日の12時まで。
いつの間にか時間を気にせず過ごしていました。
温泉に入り、
ラウンジでひと息つき、
また湯に浸かる。
そんな過ごし方が自然にできるのも、
中の坊 瑞苑の魅力だと思います。
“宿そのものを楽しむために滞在したくなる御宿”という言葉がぴったりです。
お部屋|静かにくつろげる余白のある空間

今回は思いがけず広めのお部屋を用意していただきました。
今回宿泊したのは、8階の客室。
夕方になると、
山の影が少しずつ温泉街を包みはじめます。
派手な景色ではありませんが、
その静かな移ろいを眺めているだけで、
不思議と心が落ち着きました。
夕暮れ時には、灯り始める温泉街の光が幻想的で、
客室にいながら旅情を感じられる贅沢な時間に。
室内は落ち着いた和の設えを基調にしつつ、
どこか現代的な洗練さもあり、全体的にとても上品。
派手な豪華さではなく、
“静かにくつろげる空間”として整えられているのが瑞苑らしさ。
照明は柔らかく、夜になるとさらに落ち着いた雰囲気に。
窓際で温泉街を眺めながらお茶を飲む時間は、
まさに「何もしない贅沢」です。
寝具や設備も快適で、
高級旅館らしい細やかな気配りが随所に感じられます。
観光を詰め込むより、
“部屋で過ごす時間そのもの”を楽しみたくなる客室。
大人の滞在にぴったりです。
温泉|有馬の名湯「金泉」と「銀泉」

中の坊 瑞苑の金泉イメージです。銀泉は貸切タイプになります。
中の坊 瑞苑では、有馬温泉を代表する
「金泉」と「銀泉」、二つの湯を楽しめます。
鉄分と塩分を豊富に含む金泉。
初めて見ると、
その赤褐色のお湯に少し驚くかもしれません。
私も湯船に身を沈めながら、
「ああ、有馬に来たんだな」
と感じていました。
(金泉は放流・循環併用式/加水なし・加温なし。
有馬温泉を代表する「天神泉源」から引湯されています)
一方、“銀泉”は透明感のあるやさしい湯ざわり。
穏やかに身体を包み込み、静かな安らぎを感じられます。
やわらかな湯ざわりの銀泉は、
金泉とはまた違った穏やかな心地よさがあります。
(銀泉は放流・循環併用式/加水あり・加温あり)
銀泉は予約不要の貸切形式となっており、
空いていれば自由に利用できるのも嬉しいポイントです。
趣の異なる二つの湯をゆったり味わえるのは、
瑞苑ならではの贅沢。
静かな時間の中で、有馬温泉の奥深い魅力を堪能できます。
さらに温泉巡りを楽しみたい方は、
系列の有馬グランドホテルの大浴場も利用可能。
無料送迎サービスもあり、湯めぐり気分も味わえます。
お食事|季節の移ろいを味わう会席料理

中の坊 瑞苑の鉄板焼き、少量美味懐石、洋朝食のイメージです。
中の坊 瑞苑のお食事は、
有馬の静かな空気をそのまま映したような、繊細で上品な味わい。
派手さはありません。
でも、一品ごとにきちんと向き合っていることが伝わってくる。
そんな食事でした。
夕食後はぜひラウンジへ。
焼き菓子と好きなお飲み物を片手に、
庭園を眺めながら過ごす時間は、食後の余韻まで贅沢に感じられます。
朝食も丁寧に整えられていて、
朝の有馬の景色を眺めながらいただく時間はとても穏やか。
連泊時やパン食を希望する場合は、
リクエストに応えてくださるのも嬉しい心配りです。
朝がゆっくりな日は、
12時チェックアウト後に併設の「猪名野」でブランチをいただくのもおすすめ。
温泉に浸かり、
美味しい料理を味わい、
静かな客室でゆっくり過ごす──。
そんな“大人の温泉旅”にぴったりのお宿でした。

【基本情報】アクセス・チェックイン情報
・施設名:中の坊 瑞苑
・エリア:有馬温泉
・部屋数:全52室
・アクセス:有馬駅から徒歩5分
・チェックイン:14:00 チェックアウト:12:00
・価格帯:1泊2食付き 103,000円前後〜(1室目安、変動あり)御宿にお問合せください。
・※ブランチ付きプランは販売日限定
おわりに|静かに心が整う、大人のための湯宿
有馬温泉には魅力的な宿がたくさんあります。
けれど中の坊 瑞苑で過ごした時間を思い返すと、
一番印象に残っているのは、何か特別な出来事ではありません。
温泉に浸かり、
お茶を飲み、
窓の外の景色を眺める。
ただそれだけの時間です。
けれど、その“何でもない時間”が、
驚くほど心地よかった。
気づけば、
「これ以上は何も要らないかもしれない」
そんな気持ちになっていたのを覚えています。
豪華な設備でも、
特別な演出でもありません。
静かな湯。
穏やかな時間。
ゆっくり流れる22時間。
そのすべてが、
中の坊 瑞苑という宿の魅力なのだと思います。
有馬で静かに過ごしたいと思ったとき、
きっとまた、この宿を思い出すでしょう。
また「一湯一会」でお会いしましょう。

