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有馬温泉の中心部を流れる滝川沿い。
温泉街の賑わいからほんの少し離れると、
そこには不思議な静けさに包まれた一軒の宿があります。
鎌倉時代から八百年以上の歴史を刻む「陶泉 御所坊」。
館内へ足を踏み入れてまず感じるのは、現代のホテルとは対照的な“心地よい暗さ”。
柔らかな光が障子越しに差し込み、
磨き込まれた木の床に静かに影を落とす。
その陰影は、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を思わせる、日本の美が息づく空間でした。
有馬名物の金泉に身を委ね、
光と影がゆっくりと動く空気の中で過ごす時間。
ここでは何かをする必要はありません。
ただ静かに湯に浸かり、宿の呼吸に身を委ねるだけで、
慌ただしい日常から心が少しずつほどけていきます。
御所坊で過ごした静かな時間
御所坊に滞在して感じたのは、歴史ある建物の重厚さよりも、館内に流れる静かな空気でした。
障子越しに差し込む光。
木の床に落ちるやわらかな影。
館内を歩いているだけで、時間の流れが少しゆっくりになるような感覚があります。
古い建物だから落ち着くのではなく、光の入り方や静けさそのものが、この宿の魅力なのかもしれません。
今回は、そんな御所坊で過ごした静かな時間をご紹介します。
陶泉 御所坊で触れる「光と影」の休息

ロビーに差し込む柔らかな光。静かな影が旅の始まりを告げる(自作イメージ)。
館内に入ると、まず迎えてくれるのは“落ち着いた暗さ”。
明るすぎない照明が、窓から差し込む光をより美しく浮かび上がらせます。
ロビー、廊下、客室、温泉──
どこにいても「光と影」がゆっくりと動き、
時間そのものが静かに呼吸しているようでした。
客室|静けさに包まれる場所
客室に入って最初に感じたのは、音のない“静けさ”。
障子越しの柔らかな光が畳に落ち、淡い影をつくる。
有馬の山を眺めながら過ごしていると、
不思議と時間の流れがゆっくりになります。
何かをしようとしなくても、ただその空間にいるだけで満たされる──
そんな感覚がありました。
金泉|光を映す濃い湯
御所坊の金泉は、湯に浸かった瞬間に“包まれる”ような温かさがあります。
鉄分を多く含む赤褐色の湯は、有馬らしい力強さを感じさせながらも、不思議と落ち着いた印象でした。
暗めの浴室に、湯面の光が静かに揺れる。
湯上がりの身体で廊下を歩くと、木の香りがふわりと漂い、
そのまま部屋に戻って横になると、
まるで時間が止まったような静けさが訪れます。
個室露天つき客室|自分だけの光と影を独占する

客室露天に差し込む朝の光。湯気の向こうに静かな影が揺れる(自作イメージ)。
露天風呂には、宿自慢の金泉がなみなみと注がれています。
好きなときに、好きなだけ湯に浸かる贅沢。
私が泊まったお部屋には、
個室露天に加えてプライベートサウナも備わっていました。
朝の澄んだ光、夜の深い影。
そのどちらも、この客室では静かに味わえます。
山家料理という静かなごちそう
山家料理は、華やかさを競う料理ではありません。
炭火の香りや素材そのものの力強さを感じる素朴な味わい。
派手ではないけれど、御所坊の静かな空気によく似合う食事でした。
まとめ|光と影の中で、心がほどける宿
華やかな宿ではありません。
けれど、あの柔らかな光と静かな影の記憶は、
帰宅したあとも不思議と心に残り続けます。
有馬温泉で静かな時間を過ごしたい人にとって、
御所坊はきっと特別な一軒になるはずです。
こんな人におすすめ
- 有馬温泉で歴史ある老舗旅館に泊まりたい人
- 金泉をゆっくり楽しみたい人
- 静かな大人の温泉旅をしたい人
- 部屋露天やサウナ付き客室で過ごしたい人
- 日本建築の美しさや陰影のある空間が好きな人
宿の基本情報
・施設名:陶泉 御所坊
・エリア:有馬温泉
・部屋数:全16室
・アクセス:神戸電鉄有馬温泉駅から徒歩約3〜5分
・チェックイン:15:00 チェックアウト:10:00
・価格帯:1泊2食付き 宿泊料金は(時期や客室タイプによって変動する為)予約時にご確認ください

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有馬の歴史に触れたあとは、湯とおもてなしに包まれる時間へ。

